ODMファイルからデータをインポートする
はじめに
ViedocへのODMインポートについて
Viedocでは、CDISC ODM XML標準形式を使用したデータのインポートをサポートしており、他のEDCシステムからViedocにデータを移行することが可能です。ODM-XMLは、臨床試験データを交換およびアーカイブするための、ベンダーおよびプラットフォームに依存しない形式です。ODM-XMLには、試験の設定、運用、解析および申請中に、異なるソフトウェアシステム間でデータを共有するために必要となるすべての情報(臨床データ、関連するメタデータ、管理データ、参照データ、および監査情報)が含まれます。
ODM-XMLには、アーカイブの一環として長期保存用のすべての情報も含まれ、規制に準拠したメタデータとデータの取得、アーカイブおよび交換を容易にします。詳細については、https://www.cdisc.org/standards/data-exchange/odmを参照してください。
Viedoc Adminでは、CDISC ODM XMLファイルをアップロードすることで、CDISC ODM XML標準フォーマットを使用して、別のEDCシステムからViedocにデータをインポートすることができます。
Viedocは以下のデータインポートをサポートしています:
• 標準のCDISC ODM形式、または
• Viedoc拡張子を含むODMファイルを使用する(例:以前にViedoc からエクスポートされたODMファイル。データを出力するを参照)。Viedocの拡張子には常に"v4:
"が前に付きます。
インポートを開始する前に知っておきたいこと
重要!
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ODMインポートの制限
以下のデータはODMインポートに含まれません。
• コーディング
• クエリ
• レビュー状況
• 臨床データの履歴(概要のみがサポートされています)
ODMファイルのインポート中、データはどのようにマッピングされるか
施設のインポート
システムは施設Name
に基づいて自動マッピングを実行します(大文字と小文字は区別されません)。Code
の拡張子が存在する場合(例えばからODMファイルがViedocで作成された場合)、その拡張子もマッピングされます。拡張子が空の場合、Name
のみが使用されます。
v4:TimeZone
がODMファイルに存在する場合は、そのタイムゾーンがインポート中に使用されます。存在しない場合は、UTCのタイムゾーンが使用されます。
ODMファイルにv4:StudySiteSeqNo
が存在する場合、この番号がインポート中に使用されます。存在しない場合は、最大v4:StudySiteSeqNo
+ 1の値が割り当てられます。
ODMファイルに<v4:Address>
と<Country>
が存在する場合、これらがインポート中に使用されます。存在しない場合のデフォルトは「SE」(スウェーデン)となります。
ユーザーのインポート
ユーザーはフルネームとメールアドレスでインポートされます。
注意!インポートの実行後、ユーザーはシステムにインポートされているだけで、直ぐにアクティブになるわけではありません。これらのユーザーがViedocへのログインアクセスを取得するためには、インポートされたメールアドレスを使用して、招待を送信する必要があります。
LocationRef
の要素を使用すると、ユーザーを招待する施設を指定することができます。
v4:RolesRef
の要素はViedocの拡張子であり、特定の施設に対してそれぞれのユーザーがどのロールを持っているか、およびそれらのロールの割当ておよび削除された日付を特定することができます。
患者のインポート
既存データを含む既存の試験にODMファイルをインポートする場合の最初のステップは、患者を施設に割り当てることです。これは、ODMファイル内の患者のSiteRef
情報を使用して行われます。
ステップ 2/5に記載の通り、患者のマッピングを行う前に、インポートするODMファイル内のすべての施設(LocationOID
)が、既存の施設(複数可)または新しい施設(複数可)にマッピングされます。
患者はODMファイル内のSubjectKey
の属性によって識別されます。これは標準のODMパラメーター(文字列)であり、患者ID形式設定に従ってViedocで作成される患者IDに対応するものです。
SubjectKeySubjectKeyによる既存患者へのマッピング
患者のマッピングはSubjectKey
を使用して実行されます。
- システムは指定された施設内のViedocの既存の患者のいずれかが、指定された
SubjectKey
と同じ患者IDを持っているかどうかを確認します。
- 一致する患者が見つかった場合、データはその既存の患者にインポートされます。
- 一致する患者が見つからない場合、指定された施設内に新しい患者が作成され、データはその患者にインポートされます。
- データがインポートされると、患者ID形式設定に従って、新しくインポートされたデータを使用して患者IDが作成されます。
Viedocで新しい患者が作成されると、それに対する2つのシステム項目がバックグラウンドで作成されます。
v4:StudySubjectSeqNo
は、試験レベルの患者の通し番号です。患者が試験の2番目の患者である場合、この項目は2となります。v4:SiteSubjectSeqNo
は、施設レベルの患者の通し番号です。したがって、上記の患者が施設の最初の患者である場合、この項目での番号は1となります。
これらの2つのシステム項目(Viedoc拡張子)はさまざまな目的で使用されますが、その中でも患者IDが最も重要です。患者ID形式設定を参照してください。新しく作成された患者の場合、これらの通し番号は以下の通りになります。
- データのインポート先である試験の患者ID形式設定で
SubjectKey
が使用されている場合は、通し番号は提供されたSubjectKey
から解析される。または、 - 試験(
v4:StudySubjectSeqNo
)および施設(v4:SiteSubjectSeqNo
)内で次に利用可能な通し番号がそれぞれ割り当てられる。
注意!
- インポートされるODMファイルがViedocで作成されたものであり、Viedoc拡張子を含めてエクスポートされた場合、これらの通し番号はODMファイルに含まれています。
v4:StudySubjectSeqNo
またはv4:SiteSubjectSeqNo
のいずれかが、インポートするODMファイルまたはインポート中にマッピングするODMファイルで提供されている場合(後述のステップ 3/5)、これらは患者マッピングを行う時に使用されます。以下のStudySubjectSeqNoおよびSiteSubjectSeqNoによる既存患者へのマッピングを参照してください。
v4:StudySubjectSeqNo
およびv4:SiteSubjectSeqNo
による既存患者へのマッピング
これらの2つのシステム項目(Viedo拡張子)はさまざまな目的に使用されますが、その中でも患者IDが最も重要です。患者ID形式設定を参照してください。
これらの通し番号のいずれかがViedoc拡張子としてODMファイルで提供されている場合、またはインポート中にマッピングされる場合(以下のステップ 3/5を参照)、患者マッピングは次のように実行されます。
- これらの通し番号のいずれかが提供されている場合、最初に
v4:SiteSubjectSeqNoが
、次にv4:StudySubjectSeqNo
がマッピングに使用されます。 - これらの通し番号が提供されているものの、一致が見つからない場合は、SubjectKeyによる既存患者へのマッピングで前述の通り、
SubjectKey
がマッピングに使用されます。
注意!これらの項目の通し番号がODMファイルに存在し、さらにインポート中にマッピングされる場合はマッピングが優先されます(以下のステップ 3/5を参照)。
ワークフロー
ODMファイルのインポートを開始する前に、インポートするODMファイルのデータ構造と一致する試験デザインが割り当てられている試験がViedocにあることを確認してください。インポートするODMファイルのメタデータのバージョンには、ClinicalDataによって参照されるすべてのイベント、フォーム、フォーム項目グループ、項目、およびコードリストの値が含まれている必要があります。インポートプロセスはOIDだけを使用してマッピングを実行します。
このような試験がまだない場合は、以下で説明する通り、試験を作成してからODMインポートを実行することができます。
A. Viedoc Adminで試験を作成し(手順については 新規試験を追加するを参照)、ユーザーを試験デザイナーのロールに招待します。このユーザーにViedoc Designerへのアクセス権が付与されます。
B. Viedoc Designerで先ほどViedoc Adminで新しく作成した試験に対するデザインをインポートします(デザインを開始するの手順を参照)。
C. 新しくインポートされた試験デザインが割り当てられた試験を開き、試験設定の患者ID形式設定で設定を行います(手順については、患者ID形式設定を参照)。これは後にインポート中に選択する内容にに影響します(ステップ 3/5)。
注意!ODMファイルがViedoc 4 からエクスポートされ、かつ拡張子を含んでいる場合、ステップCを実行する必要はありません。
ODMファイルをインポートする
このセクションでは、ODMファイルをインポートするための手順をステップごとに解説します。
ステップ1/5 - ODMファイルのアップロード
Viedoc Adminでデータのインポート先の試験を開き、 試験設定をクリックします。
試験設定のポップアップが開きます。
ODMファイルをインポートのタブで、 ファイルをアップロードをクリックし、インポートするODMファイルを選択します。ファイルをアップロードボタンのすぐ下にファイル名とサイズが表示されます。
ODMファイルを試験のデモバージョンにインポートする場合は、デモへインポートのチェックボックスをオンにします。
(CDISC ODM標準に則り)情報が不足しているためにファイルをアップロードできないというエラーメッセージが表示された場合は、ODMファイルに戻ってエラーを修正し、ファイルを再度アップロードする必要があります。
アップロードして続けるをクリックしすると、ステップ2/5に進みます。
ステップ2/5 - 施設のマッピング
メタデータバージョンと試験デザインバージョンのマッピングフィールドに、2つの列が表示されます。メタデータバージョンOID(xmlより)では、アップロードしたODMファイルで見つかったすべてのバージョンがリストされます。試験デザインバージョンでデータをインポートするViedocの試験デザインバージョンを選択します。デザインは、インポートするODMデータと完全に一致する必要があります。
施設マッピングフィールドに、3つの列が表示されます。列1および2 (画像を参照)は、アップロードしたODMファイルで見つかったすべての施設を表示します。列3は、インポート先として選択した試験で利用可能な施設を表示します。システムは施設名に基づいて自動マッピングを実行します(大文字と小文字は区別されません)。codeの拡張子が存在する場合(ODMファイルがViedocで作成された場合)、これも同様にマッピングされます。codeの拡張子が空の場合、名前のみがマッピングされます。一致するものが見つからない場合、システムはデフォルトで"新しい施設を作成"にマッピングします。
システムによって実行された自動マッピングが正しいかどうかを確認してください。必要に応じて、ドロップダウンリストから施設を選択して、手動でマッピングを実行します。
注意!一致するものが見つかったにもかかわらず、ドロップダウンリストから新しい施設を作成を選択すると、重複した施設が作成されてしまうため、推奨されません。
注意! インポートするODMファイル内のすべてのLocationに少なくとも1つのMetaDataVersionRef が定義されていることを確認してください。定義されていない場合、デザインバージョンがそれぞれの施設に割り当てられません。
作成された監査証跡に使用されるメールアドレスフィールドに、インポートで監査レコードを作成する必要があるときに使用するメールアドレスを入力します。
次へをクリックします。これにより、ステップ3/5に進みます。
ステップ3/5 - イベント日のマッピング
イベント日で、イベントにマッチさせたい日付項目を選択します。ここで選択が行われず、イベント内に$ EVENT.EventDateというフォームと項目の組み合わせ(Viedocがイベント日を格納する形式)が見つかった場合は、その組み合わせが使用されます。また、ODMファイルがViedoc4で作成され、拡張子を含んでエクスポートされている場合、ドロップダウンリストにこのフォーム/項目の組み合わせが表示されます。
作成のフィールドで実行される設定は、インポートするODMファイルがViedocで作成されたものであるかどうか、つまり、SiteSubjectSeqNoおよび/またはStudySubjectSeqNoの拡張子が含まれているかどうかによって異なります。患者のインポートも参照してください。
- ODMファイルにSiteSubjectSeqNoおよび/またはStudySubjectSeqNoの拡張子がある場合、このステップでの設定は必要ありません。これらの項目は自動的にインポートされます。次に、ステップ4/5に進みます。
- ODMファイルにSiteSubjectSeqNoおよび/またはStudySubjectSeqNoの拡張子がない場合、設定内容はDesignerの患者ID形式設定の設定によって異なります(ワークフローを参照)。
- SiteSubjectSeqNo項目またはStudySubjectSeqNo項目のいずれかを使用していた場合は、最初の作成ドロップダウンリスト(画像の1)からこの項目を選択し、(フォーム/項目)ドロップダウンリストからこの項目が抽出される元のフォームを選択します(画像の3)。選択した項目が単一の患者に対して複数回発生する場合、2番目の作成ドロップダウンリストに最初の発生または最後の発生のどちらを使用するかを選択可能です(画像の2、デフォルトは最初です)。
- o SiteSubjectSeqNoとStudySubjectSeqNo以外の変数を使用した場合は、作成フィールドで選択する必要はありません。
注意!一度ドロップダウンリストからオプションを選択すると、選択を取消してデフォルトに戻すことはできません(---または、選択しない)。ドロップダウンリストから別のオプションを選択することのみ可能です。
次へをクリックします。次に、ステップ4/5へ進みます。
ステップ4/5 - 除外するイベントとフォームを選択する
除外されるイベントの選択のドロップダウンリストから、インポートする試験に含めないイベントをクリックして、選択します。複数のイベントを除外する場合は、再度クリックして選択します。
除外されるフォームの選択のドロップダウンリストから、インポートする試験に含めないフォームをクリックして、選択します。複数のフォームを除外する場合は、再度クリックして選択します。
重要!Viedoc4 からエクスポートされたODMファイルをインポートする場合、$ EVENT フォームを除外する必要があります。 |
次へをクリックします。次に、ステップ5/5へ進みます。
ステップ5/5 - インポートを確認する
ユーザーフィールドに、メールアドレスとフルネームで識別された、インポート済みのユーザーのリストが表示されます。インポートをパスワードで承認してくださいのフィールドにパスワードを入力して、試験に追加するユーザーのリストを確認し、 インポートをクリックします。
注意!インポートの実行直後からユーザーがアクティブになるわけではありません。ユーザーはシステムにインポートされただけの状態である為、ユーザーがViedocへのログインアクセスを取得するためにはインポートされたメールアドレスを使用して、これらのユーザーに招待を送信する必要があります。手順については、ユーザーを管理するを参照してください。
インポート後
ファイルをインポートし、ユーザーを招待すると、Viedocで試験が利用可能になり、招待したユーザーがアクセスできるようになります。
フォーム履歴を含むPDFは、インポート後すぐには使用できません。Viedoc ClinicでPDFへの出力を実行すると作成され、Viedocで利用可能になります。手順については、データを出力するを参照してください。
インポート後にすべての自動計算が再度実行されます。