基準値データを活用する
このレッスンでは、基準値データの取り扱いについて解説します。
はじめに
基準値データについて
Viedocでは、試験の基準値データを一元管理するサポートを提供します。これらのデータは、患者フォームに対して自動的に追加されます。一元管理している基準値データが試験に追加されると、各患者の各フォームに基準値を入力する必要がなくなります。
以下に基づいて、フォームに追加する様々な基準値のデータセットを設定することが可能です。
- 年齢や性別等の、基準値に影響をもたらす因子
- ラボのような基準値のデータソース
- 施設
- 測定日
用語
用語 | 定義 |
---|---|
基準値データソース | 基準値データを提供するソース (例:ラボ) |
基準値データスコープ |
基準値データソースが実行する一連の測定項目と、これらのデータに影響する可能性のあるパラメーター。1つの基準値データスコープのデータが、1つのラボデータフォームに投入されます。一連の変数や因子(以下に記載の定義をご参照ください)として、1つまたは複数の基準値データスコープをViedoc Designer > グローバル設定で設定可能。 |
因子 | 患者の性別など、基準値データに影響を与えるパラメーター。検査結果の正常範囲に影響を与える可能性がある因子。 |
変数 | 具体的な測定項目 |
ターゲットタイプ | 測定項目に対して(変数によって定義される)、基準値データソースが提供可能な種類の情報(範囲、単位、低い/高い値等)の項目。ターゲットタイプの数はユーザーが定義可能。 |
ワークフロー
基準値データソースはViedoc Adminで設定可能です。各基準値データソースは、以下を定義する1つまたは複数の基準値データスコープにリンクされています:
- どの測定項目を基準値データソースが提供するか
- どの因子が結果に影響を与えるか
- どの範囲/単位が使用されるか
フォームに自動的に追加する基準値データは、基準値データソースとスコープの組み合わせごとに、Viedoc Clinicの基準値データエディターで入力する必要があります。これは、基準値の設定と保存の権限を持つ施設ユーザーによって実行可能です。
施設基準値を患者フォームへ自動的に追加するには、基準値を確定する必要があります。これは、基準値の確定権限を持つ施設ユーザーによって実行可能です。
詳細情報
基準値データの扱いについて解説するチュートリアル動画、基準値の入力をご参照ください。
基準値について
試験選択画面の基準値データの概要
注意!ご自身のロールの権限が基準値の閲覧、設定および確定の場合、試験選択画面の基準値データと基準値データエディターにアクセスすることが可能です。
試験選択画面では、以下が閲覧または実行可能です:
1. 基準値データアイコンをクリックすると、ご自身がアクセス可能な施設とリンクされている基準値データソースとスコープのすべての組み合わせを確認することができます。
各基準値データソースとスコープの組み合わせごとに、以下の情報が提供されます。
2. ステータスインジケーターで、施設基準値が入力済み(緑)かまだ未入力(グレイ)かどうかを示します。
3. ステータスインジケーターで、施設基準値が確定済み (日付、時間と確定したユーザーの情報を含む)かまだ確定されていないかを示します。
4. 基準値データソースがリンクされている施設の数。これにより、もしも施設基準値が変更された場合、いくつの施設が影響を受けるかを確認できます。
5. 施設基準値が追加されるフォームの数。これにより、もしも施設基準値が変更された場合、いくつのフォームが影響を受けるかを確認できます。
6. 施設基準値の設定権限を持つユーザーの数
7. 日付、時間を含め、施設基準値に最新の変更を加えたユーザーの名前
8. 保存済みの最新バージョンが確定されていない場合の警告メッセージ
9. 設定を確認するをクリックして、基準値を確認または設定します。詳しくは、基準値データエディターをご参照ください。
基準値データエディター
基準値データエディターの使い方
試験選択画面上の基準値データセクションにある設定を確認するをクリックすると、その基準値データソースとスコープの組み合わせに対して、基準値データエディターが開きます。ご自身のロールに付与されているユーザー権限によって、基準値データの閲覧のみが可能な場合や、設定および確定まで可能な場合があります。
基準値データエディターでは、以下の内容を閲覧または実行することができます。
1. 矢印をクリックすると、特定の期間に対する基準値データ表が展開されます。デフォルトでは、最近の期間が開き、リストの上部に表示されます。
2. 選択した期間の基準値データセットの数。この数字は、基準値データセットが作成された順番に基づいて、デフォルトで提供されます。
3. 基準値データセットの適用期間
- 適用開始日 (1) - 対象期間の最初の日。デフォルトでは、現在の日付に設定されています。変更するには、日付の右側にある矢印をクリックして、日付を選択します。
- 適用終了日 (2) - 対象期間の最後の日。デフォルトでは、「継続中」に設定されています。変更するには、日付の右側にある矢印をクリックして、日付を選択します。
4. 新しい期間の新しい基準値データを作成するには、新規追加をクリックします。
5. 過去に作成されたデータセットに基づいて、新しい期間の新しい基準値データを作成するには、コピーをクリックします。
6. 既存の基準値データセットの期間を削除するには、ごみ箱アイコンをクリックします。
7. 基準値の対象項目 - 対象の基準値データスコープに対して定義されている変数。変数は具体的な測定項目のことを指します。詳細は変数をご参照ください。
8. 因子- スコープで定義されている因子。因子は、基準値に影響を与えるパラメーターです。詳細は因子をご参照ください。
9. 代入される値 - 基準値データソースによって提供される基準値データの値。ここで入力された値は患者フォームに自動的に追加されます。
10. 実行した全ての変更を取り消して、確定済みの最新の基準値データに戻す場合は、キャンセルをクリックします。
11. 実行した変更を保存するには、保存をクリックします。
注意!基準値データを編集できる権限が付与されたロールの施設ユーザーのみが、基準値データの編集と保存を実行できます。保存すると、基準値データは確定できる状態になります。
12. 確定をクリックして、基準値データを確定します。ダイアログが表示され、メッセージの入力が求められます。このメッセージは、試験選択画面のメッセージセクションに表示されます。
確定することによって、データを自動的に患者フォームへ追加することが可能になります。
注意!基準値データを確定できる権限が付与されたロールの施設ユーザーのみが、基準値データの確定を実行できます。
変数
基準値の対象項目の列には、基準値データスコープに対して設定されている変数を表示します。変数の右側にある矢印をクリックすると、以下が可能になります:
- その変数に対して、代入される値に入っている既存の施設基準値をリセットする。この操作は、下の画像の1や2 のように、基準値データリストに含まれている変数に対してのみ利用可能です。
- 利用不可を選択して基準値データから変数を除外する。すると、その変数を含めない旨が表示されます。この操作は、下の画像の1や2 のように、基準値データリストに含まれている変数に対してのみ利用可能です。
画像の3のように変数が含まれていない場合は:
- 含むを選択して、基準値データセットに再度変数を追加することができます。
注意!自動的に基準値データを追加したくない変数がある場合、変数を含めない様に設定しておく必要があります。こうしておくことで、その変数に対する基準値データは、フォームに手動で追加することができます。
因子
因子の列には、基準値データスコープで設定された因子が表示されます。
この列では、以下が可能です。
1. 因子を表に追加するには、対象の因子の右にある矢印をクリックし、ドロップダウンリストから因子を選択します。矢印が表示されていない場合、基準値データスコープで事前に定義されたすべての因子が既に追加されています(画像の通り)
2. 表から因子を削除するには、対象の因子の右にある矢印をクリックし、削除をクリックします。
デフォルトでは、新しく追加された因子は表にN/A(該当なし)と表示されます。これを変更するには、N/Aの右側にある矢印をクリックし、ドロップダウンリストからいずれかのオプションを選択します。対象の因子に対する、定義済みの因子オプションの有無により、表示されるドロップダウンリストが異なります。
3. 性別など、事前に定義済みのオプションがある因子の場合:
- A: リストのいずれかのオプションを選択し、今選択している行にそのオプションを適用する。または、
- B: 前に
+
が付いているオプションを選択し、選択したオプションを適用して、その列に新しい行を追加する。または、 - 行を削除を選択して、現在の行を表から削除する。
4. 例で示した年齢等、数字の範囲の場合 :(事前定義済みのオプションがない)
- 範囲を定義するオプション(範囲内、より小さい、以下、より大きい、以上、等しい)のいずれかを選択し、数字を入力する。または、
- N/A (該当無し)を設定する。または、
- 行を追加を選択し、表に行を追加する。または、
- 行を削除を選択し、表からその行を削除する。
注意! 他のオプションもある因子にN/Aのオプションを追加する場合は、表の中で、N/Aのオプションをその変数に対する最後のオプションにしておく必要があります。この理由は、フォームに基準値データを追加している間、システムは表の上から順に因子オプションを照合するためです。一致が見つかった場合は、対応するデータがフォームに追加されます。しかし、N/Aのオプションは常に一致します。したがって、N/Aが表の上の方にリストされている場合、そこで検索が終了し、フォームにはN/Aに対応するデータが投入されます。システム上、他の因子オプションと先に一致させるようにするには、表の中で他の因子オプションをN/Aの前に入れておく必要があります。
フォーム内での基準値データの機能
基準値データが確定されると、それらのデータが使用されるフォームへの自動反映が可能になります。
フォームに基準値データを反映させるには、医師、治験担当看護師、施設スタッフが以下を選択します:
- ドロップダウンリストから、フォームの各スコープに対して結果を提供した基準値データソース
- 収集の日時
収集日時の代わりにイベント日を使用することも可能です。 その場合、基準値データはソースが選択された後に追加されます。
ヒント!自動的に基準値データを追加したくない場合は、基準値データソースを選択せずに、ドロップダウンリストは基準値データを選択したままにしておいてください。こうすることで、データの自動入力は行われず、項目を直接入力することが可能になります。
注意!以下のような場合、基準値データは追加されません。
- 因子として使用されている項目が、特定の患者に対して入力されていない(空の状態)。
- 選択した収集日時 が基準値の適用期間と合致していない。
ステップ・バイ・ステップ・ガイド
基準値を入力・確定する
注意!ご自身のロールに基準値の設定権限が付与されている場合にのみ、基準値を入力することができます。
新規に一連の施設基準値を入力するには、以下のステップに従ってください。
1 | Viedocの試験選択画面で、施設基準値のアイコンをクリックします。 |
2 |
データを入力する基準値データソースとスコープの組み合わせを決定するために、設定を確認するをクリックします。 基準値データエディターが開き、基準値データスコープで定義済みの、追加する変数やターゲットタイプが表示されます。変数の一部を除外したい場合、変数名の右側にある矢印をクリックし、利用不可を選択します。詳細は、変数をご参照ください。 |
3 |
対象の施設基準値を有効とする期間の日付を適用開始日と適用終了日の欄で選択します。 |
4 |
因子の右側にある矢印をクリックして、含める因子を選択します。 |
5 |
各変数および各因子に対して、N/Aの右側にある矢印をクリックして、含める必要のある因子オプションを選択します。 因子が数値範囲の場合は、値を設定を選択します。 デフォルトでは、「範囲内」のオプションが表示されます。 範囲のタイプを変更する場合は、もう一度矢印をクリックして、含める範囲タイプを選択します。 必要に応じて、行を追加をクリックして行を追加します。 青い入力欄に範囲の値を直接入力します。 詳細は、因子をご参照ください。 |
6 | 各変数および各因子に対して、フォームに対して自動的に追加する施設基準値を入力します。 |
7 | 保存をクリックして、基準値データを保存します。 |
基準値データを確定するには、以下のステップに従ってください。
注意! ご自身のロールに基準値を確定する権限が付与されている場合にのみ、基準値を確定することができます。
1 |
確定をクリックします。
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2 |
入力欄に基準値データ更新の概要を入力します。
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施設基準値がViedoc Clinicで確定された後に、基準値データスコープがViedoc Designerで変更・確定された場合は、基準値データ画面に次のメッセージが表示されます。
施設基準値を患者フォームへ自動追加できるようにするには、Viedoc Clinicで基準値データソースとスコープの組み合わせを更新し、再度確定する必要があります。すでに自動追加されたデータの施設基準値が変わると、影響を受けるフォームに赤い問題(i)アイコンが付きます。
基準値データの値を設定する
注意!ご自身のロールに基準値を設定する権限が付与されている場合にのみ、基準値データを変更することができます。
一連の施設基準値を変更するには、以下のステップに従ってください。
1 | Viedocの試験選択画面で、施設基準値のアイコンをクリックします。 |
2 |
値を入力する対象の基準値データソースとスコープの組み合わせを決定するために、設定を確認するをクリックします。 |
3 | 変数(変数をご参照ください)と、因子 (因子をご参照ください。)および基準値を入力します。 |
4 | 保存をクリックして、基準値データを保存します。 |
既に値が自動追加されたデータの施設基準値が変わると、影響を受けるフォームに赤い問題(i)アイコンが付き、以下のメッセージがフォームの上部に表示されます。
影響を受けるフォームは選択画面の問題ビューにも、基準値データ改訂ペンディングとして表示されます。 選択画面の問題リストの詳細については、 選択画面をご参照ください。