送信、開封、再調査依頼機能の概要

  • Published by Viedoc System 2023-03-27
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はじめに

Viedoc PMSでは、特定の期間中のデータを分冊に収集し、施設と企業間での分冊の送受信をサポートしています。このような日本の製造後販売調査における分冊の取り扱いプロセスは開封プロセスと呼ばれており、施設側のユーザーが企業とデータを共有するタイミングを選択し、企業側がデータを受け取るタイミングを選択することが可能です。このプロセスの重要な特徴の一つは、施設から分冊が送信されても、企業側のユーザーが開封を行うまでは、企業側のユーザーは分冊データにアクセスすることができないということです。

分冊は、分冊にあるすべてのビジットおよびフォームの記入が完了してはじめて企業に送信できます。

このルールには例外があり、それは試験構成に依存します。一部の案件(例えば、有害事象その他のフォーム)は、個別に管理、つまり、送信/開封/再依頼調査/レビュー/報告が可能です。これらのフォームが保存されると、警告メッセージが表示され、管理リンクが表示されます。詳細は、分冊、有害事象報告、フォームの送信と取り消し分冊、有害事象報告、フォームの取り扱い、参照ください。

このレッスンでは、分冊や有害事象を扱う際の送信-受信-再調査依頼の流れと概略を説明します。


分冊の取り扱い

開封プロセスの概要

下の画像は分冊の取り扱い(送受信・再調査依頼)を図式化したものです。

開封プロセスのワークフロー説明

特定の期間に収集したデータをまとめた分冊を施設側で作成します。必要な項目がすべて記入され、分冊が完了すると送信が可能になります。施設側のユーザーは、分冊送信時にパスワードを入力して確認します。パスワードの入力によって、同時に分冊のデータに署名をすることになります。

分冊を送信しても、企業側に分冊が直ちに表示されるわけではなく、企業側のユーザーが分冊を開封しなければ企業側のユーザーに分冊データは表示されません。送信済みの分冊は、企業側が開封する前ならいつでも送信を取り消しすることが可能です。送信を取り消した分冊は、企業側に再送信する前に編集することができます。

一方企業側では、開封の確認をクリックして分冊の受信を実行する必要があります。企業側で分冊を開封すると、企業側のユーザーは分冊のデータの閲覧が可能になります。企業側のユーザーはデータを確認したり、クエリを発行できますが、この時点では、施設での分冊は読み取り専用になっており、データの変更はできません。企業側のユーザーは、例えばクエリを発行した場合、分冊の再調査依頼を施設に送信するか、または、全てのデータが確認され、クエリが全て完了しており変更を加える必要がないとした時、分冊を固定することができます。企業側のユーザーは、固定された分冊の固定を解除することも可能です。固定を解除すると、クエリ発行のために分冊が開き、施設に送り返すことができます。

すべての送信、送信の取り消し、開封、再調査依頼のアクションは、監査証跡に記録されます。

開封プロセスでのアクション

以下の表ではViedoc PMSでのアクションを説明します。

アクション 実行をする側 いつ? 分冊データのステータス
施設側 企業側
分冊/データ入力開始 施設側 症例追加時、分冊データ収集期間の終了時 データ編集可能 データ閲覧不可能*
企業側に送信 施設側 全ての入力必要事項が完了 読み取り専用 開封するまでデータ閲覧不可能
送信の取り消し 施設側 分冊は送信済みだが、企業側で開封前である* データ編集可能 データ閲覧不可能*
開封 企業側 施設側から送信された、送信取り消しされていない 読み取り専用 読み取り専用、
データレビューとクエリ発行は可能
施設側に
再調査依頼
企業側 開封後 データ編集可能** 読み取り専用
再調査依頼の取消 企業側 企業側から再調査依頼がなされたが、施設側で取り扱われていない場合 読み取り専用 読み取り専用、データレビューとクエリ発行は可能
固定 企業側 開封後、全てのデータレビュー完了、全てのクエリ解決済み 読み取り専用 読み取り専用
固定解除 企業側 分冊固定時 読み取り専用 読み取り専用、
データレビューとクエリ発行は可能

*症例の最初の分冊が企業側のユーザによって開封されるまでは、スポンサー側に表示されません。開封と同時に分冊とそのデータ、および未入力状態のデータがない分冊の中身が企業側に表示されます。未送信分冊内のビジットやフォームは表示されますが、フォームを開くことはできません。

**ワークフローを継続させるには施設側で再度分冊を企業側へ送信しなければなりません。


有害事象時

有害事象報告

有害事象が発生した場合、以下2つの方法で報告(送信)、送信取り消し、開封、再調査依頼が可能です。

  • 有害事象が記載された分冊を送信/取り消し/開封/再調査依頼
  • 有害事象を個別で報告

分冊が完了する前に有害事象(AE)が発生した場合、分冊自体を送信することなく有害事象を個別に報告することが可能です。同様に、企業側は、分冊全体を受信・開封した場合でも、分冊自体を再調査依頼する代わりに、 AEフォームのみの再調査を依頼することができます。別途送信、返送された有害事象を有害事象報告書とよびます。この有害事象報告は分冊と同じ開封プロセスに従っています。

分冊の取り扱いと同様に,施設側ユーザーはパスワード入力により有害事象報告の送信を確認したうえ同時にデータに署名する必要があります。また、送信された有害事象報告は,企業側が報告書を受領(開封)するまでは送信の取り消しが可能です。有害事象報告を企業側で開封した場合のみ、企業側にデータが表示されます。企業側ユーザーは、必要な場合有害事象報告の再調査を依頼することができます。有害事象報告の送信、送信取り消し、開封、再調査依頼、これらすべてのアクションは、監査証跡に記録されます。

有害事象報告のプロセス概要

  1. 施設側ユーザーは有害事象報告のみを送信します。企業側ユーザーは、有害事象報告のみを受領し、必要があれば施設に再調査依頼をします。これらは例えば、分冊の指定期間が終了する前に有害事象が発生し、分冊の提出準備ができていない場合や、企業側のユーザが分冊自体ではなく有害事象報告のみを再調査依頼する場合などで行うことができます。

  2. 施設側ユーザーは分冊一式を送信します。企業側ユーザーは分冊一式を開封しますが、有害事象報告のみを施設に対し再調査依頼をします。すべてのクエリや問題が解決された後、施設側のユーザーは、この有害事象報告のみを再度送信する必要があります。

  3. 施設側ユーザーは、有害事象報告を含む分冊一式を送信します。企業側ユーザーは、完成した分冊を開封し、必要があれば分冊一式を再調査依頼として施設に返却します。このフローは分冊の取り扱いと全く同じです。

有害事象報告のフローは分冊と同様です。開封プロセスでのアクションを参照してください。

注意!

  • 分冊の固定はできますが、有害事象報告を個別に固定(フリーズ)することはできません。
  • 施設側のユーザーが分冊を送信した場合は分冊自体の送信取り消しはできますが、有害事象報告のみの送信取り消しはできません。有害事象報告のみを別途送信した場合のみ送信取り消しが可能です。